部門の紹介Department Introduction
研究推進部門:
研究推進部門では、物質創成科学領域、情報科学領域、バイオサイエンス領域の研究室から診断・治療・健康技術に関連する研究者が集まり、AI・バイオ・工学技術を駆使した共同研究課題を推進し、それぞれの課題を主軸とした医工連携融合研究の促進とその基盤教育の拡充を図ります。診断プロジェクト、治療プロジェクト、健康プロジェクトを基幹プロジェクトとし、加えて次世代のメディルクス研究を探索する公募プロジェクトから構成されます。
本プロジェクトでは、病理標本などの光学顕微鏡画像や光スペクトルによる診断データのAI解析技術の展開を主課題とします。例えば、病理標本は通常、光学顕微鏡にもとづく組織の形状の情報を判断することにより行いますが、医者は常にその判断を白か黒かでできるわけではありません。このグレーゾーンを客観的に判別できるようなAI解析技術が確立すれば、その技術は医者の強い味方となります。本プロジェクトでは、光学顕微鏡画像や光スペクトル、さらにはCT画像やMRI画像なども視野に入れ、医学者と協力してAI技術を駆使した新しい診断技術の確立を目指します。
本プロジェクトでは、細胞、ウイルス、タンパク質、高分子の光操作を駆使した治療方法の開発と支援を主課題とします。治療を発展させるための本質は材料開発技術にあります。現代では、ウイルスやタンパク質さらには細胞の破片(細胞外小胞)などが薬剤としての材料開発の対象となっています。さらには、薬剤を搬送するためのカプセル材料、手術縫合のための糸などの手術のための支持材料として高分子が多用されています。本プロジェクトでは、光操作、さらにはAIを駆使した材料合成技術を駆使して、医療材料の新しい可能性を探索するための研究を展開します。
本プロジェクトでは、脳科学、オプトジェネディクスに関連する光デバイス開発を主課題とします。植物は光に応答して成長、光合成によりエネルギーを生産することが知られていますが、動物も視覚だけでなく、光刺激に動物が応答することが近年話題となっています。本学には、この分野に関連する研究者が各領域に在籍しており、さらに、医科系大学の研究者から注目されています。本プロジェクトでは、オプトジェネディクスに代表される動物の光刺激に対する応答を、例えば脳科学や発生生物学などの観点から健康促進に通ずる技術への展開を検討し、更にはそれを光デバイス技術やAI技術と融合した新しい研究を目指します。
本プロジェクトでは、上記の基幹プロジェクトにはとらわれない新規な医療を光らせる医工連携研究を育成します。若手の研究者を中心とした、医歯薬系の研究者と連携した融合研究活動を支援し、次世代のメディルクス研究を模索していきます。
連携推進部門:
連携推進部門では、産学連携コンソーシアムを設置して奈良を中心とする地域の医科系大学、企業等と連携し、医工学のニーズとシーズを総合的に把握し、研究の促進と共に知識の集積を図っていきます。さらに、異分野融合ミーティング、社会人向けセミナー、産学連携支援などを実施し、医工連携の地域ハブとして機能する体制を整備していきます。